技術屋カツヒサの徒然日記

電子回路系エンジニアが、気になったことを何となく書いてます

電波法とドローンと撃墜用電波銃

最近なにかと話題になるドローンですが、電波で操作するラジコンの一種なので、電波法を守る必要があります。国内で電波を出す機器は全て、電波法の基準を守ってますという審査を受けて合格し、技術基準適合認定マーク(通称:技適マーク)をつける必要があります

f:id:katsu-blog:20170225164831j:plain

ちなみに携帯電話やコードレス機器も全て技適マークが必要です。
なかには技適マークが本体ではなく箱に印刷されていたり、スマホ画面に表示するような分かり難いものもありますが、技適マークが無い機器は、電源を入れただけでも電波が出るので電波法違反になります。
罰則は、「1年以下の懲役か100万円以下の罰金」です。

もちろんドローンも同じで、合法ドローンはラジコンと同じ周波数の電波を使います。ラジコンで使える周波数は時代とともに拡張されてきましたが、1チャネルで1台しか使えなかったり、操縦するだけの一方通行だったりと制限がありました

うっかり2台のラジコンで同一チャネルを設定してしまうと電波が混信して操縦不能になります。空を飛ぶラジコンは墜落してくるので結構怖いです

ちなみに筆者はラジコンヘリコプターを趣味としていた時期がありましたが、混信せずとも操縦がヘタだと落ちてくるので怖いです。

高速回転する直径約1.2mのメインローターブレードが、滑るように自分に向かって来るときの恐怖!!
※注:自業自得です。


飛ぶの一瞬、粉砕した機体の修理時間がほとんどでした(笑)

f:id:katsu-blog:20170225171313j:plain

話を戻すと、2007年にようやく2.4GHzの周波数帯が開放されて、混信の危険が小さくなりました。というのも、従来のように1台ずつ重ならないように狭い周波数を割り振る方式を止め、広い周波数をみんなで共用するスペクトラム拡散通信方式を採用したためです。

WiFiBluetoothと同種の(というか同じ)方式なので、ドローンの例で言えば、操縦するだけでなく画像を送ってこれるなど、柔軟性も高くなりました。広い周波数をみんなで共用しているため、2台だけ混信して墜落する可能性はありません。あるとすれば、通信障害で全てが一斉に墜落する可能性くらいでしょうか?


ちなみに2.4GHz周波数帯ですが、WiFiBluetooth、電子レンジなど多くの家電品で使ってます。そのため市街地付近では電波干渉が多い傾向があり、あまり遠くまで飛ばせません。
逆に言うと、2.4GHz周波数帯で電波法を守らない強力な違法電波を出せば、多くの家庭に一斉に大迷惑をかけることができます

ところで最近、↓ こんな海外製品を見つけました。

不審ドローンを強制的に離陸地へ戻す電波銃DroneGun

f:id:katsu-blog:20170225184117j:plain

「不審なのはオマエだ!!」

この製品、2kmという長大な射程から不審ドローンに電波を浴びせて制御を奪うことができるそうです。なんとも「犯罪臭のするキャッチフレーズ」ではありませんか(笑)。

空港警備や爆弾テロ対策に大きな威力を発揮するとアピールしていますが、2km先のドローンから制御を奪うために、どれだけ強大な違法電波を放射するのか?
ちなみに日本の電波障害規制規格であるVCCIはもちろん、海外のFCC規格も認証取得していません。

というか海外でコレを構えたら、「勘違いで射殺されるかも?」

わりとどうでも良い話題でしたが、今回はここまでとします。