技術屋カツヒサの徒然日記

電子回路系エンジニアが、気になったことを何となく書いてます

スマホのアンテナ性能をチェックしてみた

最近スマホも新しいのを買ったことだし、ちょっとアンテナ性能をチェックしてみようかなと思いつきました。電波の強さを数字で見ても良く分かりませんが、古いスマホと比較してみたら違いが分かりそうな気がします

どちらも中華スマホなのが微妙な感じですが、性能の割りに安い機種を選ぼうとすると、中国製品は魅力的です。そのぶん初期不良が多くサポートが悪い」という難点がありますので、購入時には販売店が責任を持って初期不良品を交換してくれる店を選ぶ必要があります。価格コムで返品条件をチェックしてみると分かりますが、ほとんどの店では初期不良の対応をメーカーに丸投げしています。そして、よほどのことが無い限り中国メーカーは初期不良を認めません。例えば無操作で半日も電池が保たないような異常スマホとかでも、我慢して使うか、諦めて別製品を買い直すというような事例もあるようです。

話がだいぶ逸れましたが、旧スマホの1万円に対して、新スマホは3万4千円くらいしただけあり、新スマホはかなり高性能です。当然、アンテナ性能にも期待してしまうところです。

とりあえず Android標準の隠しコマンドからチェックしていきます。さぁみなさんも御一緒に標準電話アプリで入力しましょう。

*#*#4636#*#*

選択メニューで「携帯電話情報」を選択すると下のような画面が出てきます。
この画面は旧スマホ(priori2)です。

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「電波強度」と書かれているのが現在接続している基地局からの電波の強さです
dBmというのは1mWを基準にしたdB(デシベル)表示の単位です。電力基準なので10dBの増減が10倍または 1/10に相当し、このスマホの受信電力は0.00000001mWくらいということです。

こう聞くと電波が弱いのかと思うかもしれませんが、実際は -110dBmくらいあれば十分実用になるそうですので、これは、かなり安定して電波を受信できている状態だと言えます。

なお同じ環境でも、スマホアンテナ性能が悪ければ電波強度は小さくなります

ロケーションのLACはLocation Area Codeの略で、エリア毎に割り当てられた番号です。携帯電話を持った人が移動していくと、次々と別の基地局に接続を切り替えていくハンドオーバーという処理を行います。
携帯電話を呼び出すとき、次々切り替わっていく基地局に対してピンポイントで呼び出しをかけるのは難しいため、大きなエリアに所属する全基地局に対して一斉呼び出し(ページング)をかけます

全ての携帯電話は、現在どのエリア(LAC)にいるのかが常に管理されていて、HLR/HSS(加入者情報管理サーバー)に登録されています。つまり、登録された携帯電話のエリア(LAC)が分かれば、おおまかな現在位置が分かることになります

SIDはセルIDの略です。エリア内には複数の基地局がありますが、基地局にある実際の通信設備がセルだと考えて下さい。セルあたりの通信量は上限が決まっているため、1つの基地局に複数のセルがあることもあり、そのセルを示すIDがSIDです。
つまり、所属するエリア(LAC)と、エリア内の接続セル(SID)が分かれば、より具体的な現在位置が分かります

私の現在位置が知られても別に困りませんが、一応は個人情報かなと思って隠してあります

「近くのCID」は、携帯電話が定期的に実施しているセルサーチの結果です。携帯電話を持って移動していくと別のセルに接続切り替えしなければいけませんので、切り替え先の候補を事前に把握しておくことでスムーズな切り替えができます。
私は専門家ではないので想像ですが、「d6@15」と「102@15」が同じ基地局にあるセルかもしれません。

スマホのアンテナ性能が悪いと、受信できる電波強度が弱くなり、見つけられるCIDの範囲が狭くなり、結果的に「近くのCID」が少なくなります

さて、それを踏まえてスマホ(Blade V7 Max)の「携帯電話情報」を確認したのが下のスクリーンショットです

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 「なんじゃこりゃー!!」


値段にして3倍以上なのに、スマホは1個しかCIDを見つけられません
たぶん、これが接続中のセルだと思うので切り替え候補のセルがありません

今まで移動しながら電話したことが無かったので気づきませんでしたが、電車などで高速移動しながら電話すると、切り替えが間に合わずに音が途切れたり、最悪は通話が切れるかもしれません


かなりショックな結果でしたので、未練たらたらで「Network Cell Info」アプリでも電波強度を調べました
 
まずは旧スマホです。

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圧巻です

上の大きなメーターが接続中のセルで、他のメーターは全て切り替え候補なわけですが、どれも十分な電波強度を持っています。
電波状態によって表示セルが増減することもあるのですが、一時は全メーターが表示されていました
※ 注:無償版アプリでは、接続中以外のメーターは2個しかありません。

問題の新スマホですが、SIMが2枚挿さってるので各1枚ずつスクリーンショットを撮りました(LTEデータ通信用の格安SIMと、3G音声通話用のドコモSIM)。

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「全然駄目じゃないですか!」

値段にして3倍以上の新スマホは、アンテナ性能がダメダメだというのが今回の結論です。

非常に残念ですが、「電車内での通話はマナー違反」だと自分を慰めつつ、今日は好きな日本酒でも飲んで早く寝ることにします。

ということで、今回はここまで。